Story5『先生の痕』

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先生は悪い大人だって知っている。
だって教え子の私を、人知れずこんなふうに呼び出すから。
先生はズルい男だってわかっている。
だって奥様がいるくせに『好きだよ』なんて簡単に囁くから…。

放課後の理科室。
校舎の外れの誰もいない広い部屋。
その部屋続きにもうひとつ、小さな準備室がある。
理科室の黒板横に、その部屋への入り口はあった。

背後に誰もいないか確認しながら、そーっと戸を開けて身を滑らせる。
狭い空間。窓からの日射しが、暗幕のようなカーテンに遮られていて、長閑な理科室から一転、闇の中へ突き落とされたような感覚に陥った。
デスクの橙色のライトを背に歩いてきた先生が、カチンと鍵をロックする。

「他の先生が入って来たって知りませんよ」

あんまり当たり前にそうされるから、何だか憎らしくなって言ってみた。
すると先生は白衣のポッケから、木札のついた鍵を取り出して、私に見せる。

「大丈夫。ほら、2個とも持ってきちゃってるもん」

銀縁のメガネ。伸びかけの柔らかそうな髪。
いつも冷静で澄ました顔が、急に子供みたいに笑うから、やっぱ先生はズルいと思う。

「早坂…」

小さくそう呼んで、先生ははだけた白衣の中に、私を閉じ込めるように抱く。
ギュッとしがみつくと、先生の香りがした。
仄甘いコロンと、…少しだけ煙草の匂い。

「授業中、早坂と目が合うとヤバいんだよ」

先生は耳元でそう囁いた。

「ここでの早坂の顔とか、声とか、思い出したら体が勝手に反応しちゃって…、ちょっと人前には立てない状態になる」

そんな言葉を耳の中へと吹き込む。

「や」

恥ずかしくなって、先生の胸をトンと叩いた。

「だからオレが教卓の後ろから一歩も動かないときは、そういうときだと思って」

堅物で冷たそうで、生徒とは一線を画しているイメージの先生が、JK相手にこんな俗っぽいことを囁くなんて、きっと誰も信じない。
クラスメイトも、職員室の先生方も、そして私自身も…実はまだ信じられないくらいだ。

先生はするりと、私のセーラー服のスカーフをほどいた。
それから胸のスナップを外して、脇のファスナーのつまみを、ジ…と引き上げていく。

制服がセーラーじゃなくて、普通のブラウスだったらよかったのにな。
そうしたらボタンをひとつずつ外して、それを羽織ったままでも愛してもらえそう…。

だけど先生は私をバンザイさせて、いつも通りセーラー服をすっぽりと脱がせた。
恥ずかし過ぎる姿…。
どうしても慣れなくて、デスクのライトを避けるように身を縮めてしまう。

そんな私のスカートのホックを、先生は難なく外すから、紺色のスカートがストンと落ちて、足元に広がった。

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